中小企業にとって、ESGやSDGsとはどのようなものか
このページで5分ほどで読めるように紹介します。

SDGsは世界共通のゴール、ESGはSDGsのゴールを実現するための手段、という関係性です。

※ESG、SDGsを学んだ後、自社の「現在地」を知り、自社取組の最初の一歩を踏み出すためのページもご用意しています。

現在地を知って一歩踏み出す

中小企業にとっても、ESGやSDGsは無関係なものではなく、今後取引先から求められるなど「経営の中心に置くべき課題」になること、身近なところから始められるのでハードル…

ESGについて

ESGは何だろう

一般的に、ESGとは、Environment(環境)、Social(社会)、Governance(ガバナンス)を考慮した投資活動や経営・事業活動を指します。企業の持続可能な成長のためには、経済効率のみならず、このようなESGの観点を取り入れる必要があるとの考え方が世界中で広がっています。

ESGを学べるオススメの1冊

東京都は、「国際金融都市・東京」構想2.0に掲げるグリーンファイナンスの活性化や、金融のデジタライゼーションに関する具体的施策を強力に推進し、世界をリードする「国際金融都市・東京」を実現する上で必要な助言、支援等を得るため「国際金融フェロー」を委嘱しています。

このたび国際金融フェローの皆様より、中小企業の皆様が初めてESGを学ぶにあたってオススメの1冊を挙げていただきましたので、ご紹介します。

山岡 浩巳 東京都チーフ国際金融フェローより(現職等:フューチャー株式会社 取締役)

「文明崩壊 滅亡と存続の命運を分けるもの」(ジャレド・ダイアモンド、楡井 浩一 訳、草思社文庫、2012年)

人類の過去の輝かしい文明の多くが、本当に気候変動で滅びていったことがわかる、読み応えのある教養書です。

山岡フェローより

瀧 俊雄 東京都国際金融フェローより(現職等:株式会社マネーフォワード執行役員 CoPA Fintech 研究所長)

「地球の未来のため僕が決断したこと」(ビル・ゲイツ、山田 文 訳、早川書房、2021年)

なぜ、温暖化対策をしないといけないのか。私たちは大なり小なり、その疑問を持っている。510億トンをゼロにする、という言葉で始まる本著はその理由をわかりやすく、厳しさをそのままに伝える一冊である。温暖化は決して片手間に解決できるテーマではなく、地球上のあらゆる手段を動員する必要がある。いち生活者、いち事業者としてみんなが求められる責務があることを、世界一の会社を作った頭脳が教えてくれている。

瀧フェローより

中小企業にとってのESGについて

中小企業にとってもESGは無関係なものではありません。
長期的に取引先や消費者に信頼されて販路の拡大や新規顧客の獲得、学生から評価され人材獲得、融資先企業にESG取組を求める金融機関からの資金調達、等のメリットにつながる可能性があります。
今やESGは「経営の中心に置くべき課題」になっています。

また、ESGは世界の潮流になっており、今後、取引先や金融機関からの要請が強まることは必至です。取引の維持、拡大に向けて、取り組んでいく必要もあります。

ESGは決してハードルが高いものではなく、中小企業も身近なところから取り組むことができます。

環境」は、環境にやさしい企業活動を指し、例えば、エネルギー使用量の削減や、使用するエネルギーを再生可能エネルギーに切り替えることが挙げられます。LED照明に切り替えること、高効率の空調設備の導入のような設備投資だけでなく、不要箇所の消灯や冷暖房の設定温度の見直しのような今日からできる省エネ対策も「E」に関する取組です。

社会」とは、企業活動が社会課題の改善・解決に貢献することです。社会課題というと、大きなレベルの問題を想像されるかもしれませんが、女性活躍に取り組むこと、従業員の労働条件を見直してライフ・ワーク・バランスを確保すること、消費者が安全に製品やサービスを利用できるように安全基準を見直すこと等、個々の企業が自社の取組を改善して社会問題の発生を予防することも該当します。

ガバナンス」は、公正な企業統治のことを指します。経営者の第一者の視点だけでは「公正な企業統治」と評価されないため、内部監査を行っていくことが大切です。内部監査を行うことで、これまで見過ごしていた課題に気づくことができる可能性があります。
また、コンプライアンスを遵守していくことも大切です。

以上、見てきたように、ESGは遠い存在のものではありません。このサイトでは、先進的な企業の取組事例や、補助金情報を紹介していますので、ぜひ第一歩を踏み出してみてください。

SDGsについて

SDGs(Sustainable Development Goals、持続可能な開発目標)とは、2015年9月の国連サミットで採択された2030年を年限とする国際目標であり、持続可能な世界を実現するための17のゴールから構成され、発展途上国のみならず、先進国を含む全ての国々の共通目標になっています。

SDGsの17のゴールには、169のターゲットが紐づいています。
いつまでに、具体的にどのような行動が求められているのかについては、環境省の「持続可能な開発目標(SDGs)活用ガイド[第2版]」が参考になります。
持続可能な開発目標(SDGs)活用ガイド [第2版](資料編)

なお、SDGsの前文・宣言については、外務省が仮訳を公表しています。
持続可能な開発のための 2030 アジェンダ

以下にSDGsについて参考となるページを紹介します。

SDGsについて理解する

J-Net21(独立行政法人中小企業基盤整備機構)
企業にとってSDGsが重要な理由を踏まえて解説している他、今後SDGs経営に取り組もうとする中小企業にとって参考になる先行事例や関連記事、リンクを紹介しているサイトです。

JAPAN SDGs Action Platform(外務省) 
社会に広がるSDGsに関連した取組を幅広く紹介することを目的としたサイトです。「ジャパンSDGsアワード」で好事例の紹介や、ハローキティとのコラボ動画も掲載されています。

地方創生SDGs官民連携プラットフォーム(内閣府)
SDGsの国内実施を促進し、より一層の地方創生につなげることを目的に、広範なステークホルダーとのパートナーシップを深める官民連携の場です。官民連携の取組事例も掲載されています。

SDGsに取り組む

SDGs経営推進事業ポータル(公益財団法人東京都中小企業振興公社) 
SDGs経営導入に向けた支援情報が集まっている他、「ど根性ガエル」でSDGs経営をわかりやすく紹介したハンドブックも掲載されています。

SDGsに取り組む中小企業等の先進事例の紹介(関東経済産業局) 
中小企業等において、SDGsを活用して自社の企業価値向上や競争力強化を実現している事例を取りまとめています。

脱炭素経営に向けたはじめの一歩(一般社団法人全国銀行協会)
気候変動の基礎知識、脱炭素経営が必要な理由、脱炭素経営セルフチェックリスト(例)等を取りまとめています。

この他、ESGやSDGsの参考になるセミナー等情報を、東京サステナブルNaviのこちらのページでもご紹介しています。

ESG、SDGsを学んだ後は

本ページでESG、SDGsを学んだ後は、自社がどの程度できているのか「現在地」を知ることが大切です。
自社のおおよそのCO2排出量を知り、自社取組の最初の一歩を踏み出すためのページもご用意しています。

現在地を知って一歩踏み出す

中小企業にとっても、ESGやSDGsは無関係なものではなく、今後取引先から求められるなど「経営の中心に置くべき課題」になること、身近なところから始められるのでハードル…