企業経営において、ESG・SDGsといったサステナビリティへの考慮が重要になっています。
サステナビリティ経営の概要や取組方法についてとりまとめました。
サステナビリティ経営とは
サステナビリティ経営とは、社会の持続可能性(サステナビリティ)に貢献する企業の経営に取り組むことです。
2015年の国連サミットでのSDGs採択やパリ協定合意などをきっかけに、サステナビリティへの関心が高まりました。
以前は、企業の社会活動としては、寄付など本業以外の枠組みをCSRとして実施していましたが、企業が本業を通じて、社会のサステナビリティに貢献することが重要になっています。
また、気候関連情報に関する開示要請などの規制も強化されています。
<サステナビリティ経営が求められる背景>
<サステナビリティに関する規制やガイドライン等 >
ESGの要素について
ESGとは、環境(Environment)、社会(Social)、企業統治(Governance)の英語の頭文字を合わせた言葉です。
気候変動問題や人権問題などの世界的な社会課題が顕在化している中、企業が長期的成長を目指す上でESGの3つの観点が重要となっています。主な論点や企業の対応例は下記の通りです。
<ESGの論点と企業の対応事例>
※バリューチェーン全体で求められる温室効果ガスの削減
ESGの要素の一つである、環境問題については、温室効果ガス(GHG)の削減に関して、自社の排出量だけでなくバリューチェーン全体の排出量を可視化・削減が求められています。大企業だけでなく、サプライヤーも含めたGHGの削減が重要になっています。
<バリューチェーン全体の排出量イメージ >
エシカル消費とは
エシカル消費とは、消費者が社会的課題の解決を考慮し、そうした課題に取り組む事業者を応援しながら消費活動を行うことを指します。
サステナビリティを考慮するエシカル消費に対する興味は高まっています。
社会課題解決に繋がる取組を進めることで、消費者の購買意欲にもプラスの影響を与えると考えられ、サステナビリティへの重要性は一層重要になっています。
<エシカル消費に関するアンケート調査>
※エシカル消費についてくわしくはこちら(消費者庁のサイトに遷移します)
https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_education/public_awareness/ethical/
※エシカル消費についての東京都のサイトはこちらです
https://www.shouhiseikatu.metro.tokyo.lg.jp/manabitai/ethical/start1.html
生物多様性とは
生物多様性とは、「バラエティーに富んださまざまな生き物が豊かに存在していること」を指します。
生物多様性による恵みは「生態系サービス」といわれ、下記の4つの種類のサービスに分類されます
いずれも、持続可能な環境に必要不可欠なものです。生物多様性(自然資本)への配慮は企業経営において重要な要素の一つとなっています。
<生物多様性に関する概要イメージ>
生物多様性を巡っては、2022年12月の生物多様性の新たな国際的枠組みとして、「昆明・モントリオール生物多様性枠組み(ポスト2020生物多様性の枠組み)」が制定されました。
また、2023年中に自然開示に関する情報開示(TNFD)のフレームワークが公開される予定であり、社会全体で生物多様性に関する対応が重要になっています。
<生物多様性を巡る潮流>
生物多様性については、消費者の関心も高まっています。
また、自然や生物の保護を進める企業へのサービスを積極的に購入すると答えた割合は半分近くになっています。
<生物多様性に関するアンケート調査>
以上のことから、企業の生物多様性保全への積極的な取組は、さらなるビジネスチャンスにつながる可能性があると考えられます。
また、身近なところでも、省エネルギー等の地球温暖化防止に取り組むことや、環境配慮製品を選択することによって、生物の保全につながります。
※生物多様性についてくわしくはこちら
https://www.biodic.go.jp/biodiversity/index.html
サステナビリティ経営の進め方
ESGやSDGsの要素を考慮した、サステナビリティ経営を進めるにあたっては、各社の事業に沿って目標を設定し、達成状況を踏まえて改善していくことが重要になります。
サステナビリティ経営(SDGs)への取り組む方法としては、「SDG Compass SDGs企業の行動指針」が体系的に整理されています。
<サステナビリティ経営に関する取組フローイメージ>
※SDG Compassについてくわしくはこちら
https://sdgcompass.org/wp-content/uploads/2016/04/SDG_Compass_Japanese.pdf
サステナビリティ経営を進めるメリット
サステナビリティ経営を取り組むことで、投資家や消費者から選ばれやすくなることや、従業員のモチベーション向上など、幅広いステークホルダーにポジティブなメリットがあります。
自社の本業の中でサステナビリティへの取組を推進することで、企業の中長期的な成長に繋がると考えられます。
<サステナビリティ経営による各ステークホルダーへの影響>
ESGやSDGsといったサステナビリティに関する要素を意識した経営の重要性は今後も高まっていくと考えられます。
本ポータルサイトでは、定期的にサステナビリティ経営に取り組む企業の紹介や関連する情報発信を行って参ります。